リコーダーを見ると、目の色が変わるクラスメイトがいた。
不用意に見せようものなら、狂ったように叫び、リコーダーに掴みかかってくるのだ。
だから、私のいたクラスではリコーダーを用いた授業はなく、すべてピアニカに変更されていた。
支給されたリコーダーは、授業で使う事はなく、自宅で吹くのみであった。
西ヨーロッパでは中世から存在が知られ、ルネサンス音楽頃には盛んに用いられていた。バロック期までは単にフルートと言った場合、フラウト・ドルチェ(伊)、英語ではリコーダー(バロック期では特にアルトリコーダー)のことを指し、現在のフルートの原型である横笛はフラウト・トラヴェルソ(横に持ち替えたフルート)と呼ばれた。
バロック期前半の17世紀には現在用いられるものとほぼ同じ形に完成された。同時代には古典音楽において重要な楽器となり、ソナタや協奏曲の独奏楽器として、また管弦楽群の合奏楽器として、数々の名曲が作られた。テレマンが自ら得意に演奏したことでも知られる。
だが、音量が小さいこと、また音量の強弱がそのままピッチに影響すること、発音が容易であることの裏返しとして音色の表情をつけにくいこともあり、バロック期後半の18世紀頃からは次第にフラウト・トラヴェルソに主流の座を譲り、古典派音楽に至っては全く顧みられなくなった。
20世紀初頭にイギリスのアーノルド・ドルメッチが復元し、ドイツでは教育用としても普及した。現代でもフランス・ブリュッヘンなどの名奏者を輩出している。もっとも、古楽派以外のオーケストラや吹奏楽では一般的に用いられない。なお、古楽器奏者は奏法やレパートリーの近いバロックフルートと持ち替えをすることが多い。